Mr.S と 010

つい先日発売となった現在行われているツアーの映像化作品。ボーナス映像のインタビューを見ていたら、書いている最中だった010の記事にシンクロすることが多すぎたので加えて書くことにした。
010“TEN” [DVD]

010“TEN” [DVD]

こちらは96年に行われたSMAP初のドームツアー「超無限大翔」の東京ドーム公演を映像化したもの。コンサート映像と共にロンドンで撮影されたショートストーリーが収録されている。このコンサートは96年夏に行われたものなのでもうステージに森くんの姿はない。本当ならば6人で踏むはずだったドームの舞台。笑顔の裏でどこか悲しげな5人の表情がとても胸を締め付けて、未だに観るのに少し躊躇してしまう作品である(ショートストーリーがなんとなく森くんを連想させるのもまた切ない…)
このツアーからJr.と共にプロのバックダンサーが付いており、全体的に6スマコンより大人っぽい印象。まだ全員20代前半と10代だったことを思うとその大人びた雰囲気から森くんの脱退によって背負ったものの大きさが伺える。「悲しいほど美しい」この言葉がこの時の5人にはぴったりだなと思う。特にしんごのソロ「嘲笑」は、悲しくて悲しくてそして本当に美しい。歌い終わった後の泣いているのか笑っているのかどちらとも取れるような表情は、思わず目を背けたくなる程で何度見ても涙腺が刺激されてしまう。このソロはメインステージではなく舞台上部に作られたセットで歌っているのだがそれが更に涙を誘うのだ。この姿がMr.Sで「好きよ」をリフターに座って歌うしんごにだぶってしまうのは私だけだろうか。ソロといえば、このDVDには収録されていないのだが中居さんはソロで「BEST FRIEND」をミュージカル形式で歌っていた。森くんラストのスマスマで最後に歌ったベスフレをソロに持ってくるなかいしゃん………(涙)中居さんは当時の会報でソロについて「生きていれば楽しいことも傷つくこともいろいろあるけどやっぱりどんな時でも一番大事なのは友達なんじゃないかっていうのを言いたかったんだよね」と語っている。イジメに悩んでいるファンからの手紙がヒントになった、と言っているけどどうしても重ねてしまうよね…森くんをね…。中居さん自身も重ねてたんじゃないかと思わずにいられない。
「6人から5人になったっていう意識をひとりひとりが持たなきゃいけないと思ってた。チケットの金額だって前回と変わってないんだから観ている人たちには今までよりもずっと楽しんでもらわなきゃってね」こちらは同じ会報の吾郎ちゃんの言葉。木村くんも「穴を埋めなきゃっていう意識はどこかにあった」と語っており、前作である007では全編に渡って見られたようなメンバーのクシャクシャの笑顔が少ないのもこういったプロ意識の表れなのかもしれない。
この作品はただただ楽しいだけじゃない、観ていて切なくなる部分も多いと思う。でも、この初めてのドーム公演を観た後で今回のMr.Sを観るとより込み上げるものがあるのではないだろうか。
Mr.Sのボーナス映像にある「10年前の自分に一言」という問いで中居さんがスタッフに「20年前だとまた違いますか?」と聞かれて「結構叶ってるよ」と答えていて、それって「ずっと6人一緒に」っていう中居さんの当時の願いのことなのかなって思って。6人一緒に「SMAP」でいることは叶わなかったけれど「5人プラス1人」でいることは叶ってるよって、そういうことなのかなって。ずっとずっと「プラス1人」を「マイナス1人」にしないように生き続けてきた中居さんの言葉に涙が止まらなかった。叶ってるよと言った後にお金のジェスチャーをして茶化してたけど、私にはそんな風に思えて仕方がなかった。
今みたいなこんな未来が来るなんて、あの時ドームに立っていた5人は想像できていたのだろうか?まさに夜空ノムコウの歌詞のようだと思う。「僕はSMAPが一番好きです」と初めての東京ドームのステージで少し悲しげな笑顔で言っていた中居さん。今となってはアマノジャクに更に磨きをかけた彼はあんなに素直に言ってはくれないと思うけど、Mr.Sで見せている憑き物の取れたような笑顔を見ていると「あの頃の未来」にきっと彼は立てているんだろうと信じたくなる。ずっとずっと彼が願い続けたあの頃の未来に。